読書、雪男たち

「雪男たちの国」を読んだ。
南極へ行き気が狂ってしまった男が書き残した手記を元にしたフィクション。
スコット探検隊を題材にしたジョージ・ベルテンの本で、隊長のスコット大佐が良い。
タルコフスキー監督の映画「ソラリス」に似ている。
時間も空間も超越した場所で、最も強く望む幻覚がとても人間らしい。
雪原に現れる妻や、恋人の幻や、汽車。
狂っていく男達の中で、スコット大佐だけが現実以外のものを拒否しようとする。
そのスコット大佐もついに幻の汽車に乗って行ってしまう。
あとには狂ったジョージ・ベルテンだけがとり残される...